四国で有名な温泉地といえば、愛媛松山「道後温泉」。
夏目漱石作の小説「坊ちゃん」の舞台でもあり、明治時代に建てられた道後温泉本館の、情緒的で風情溢れるその佇まいは、今でも多くの人々を魅了してやみません。現在は本館の補修工事真っ只中で(~令和6年末まで)、一部のお風呂のみ営業となっていますが、今でしか見られない工事風景も一興かと思います。
今回は、道後温泉を満喫すべく、本館すぐ近くの市営「道後温泉駐車場」で車中泊してみたので紹介したいと思います。
アクセス
松山自動車道・松山ICから、北に約8kmほどの場所に、道後温泉があります。市内を走る路面電車に注意しつつ、道後温泉本館まで行くと、すぐ南側に市営「道後温泉駐車場」があります。入口の料金ゲートを越え、坂を上った先が駐車スペースです。
駐車場利用方法
駐車場の営業時間は、5:30~23:30(入出庫可能時間)です。30分毎に100円かかる料金システムです。3か所ある道後温泉の施設に駐車券を持っていくと、1時間分無料になります。忘れずに持っていきましょう!
泊まり料金がある!
通常の料金の他に、なんと!泊まり料金なるものが存在します。20:30~翌8:30の間は、泊まり料金として720円になります(割引対象外)。例えば、18:10頃に入庫して翌7:30に出庫、温泉施設で1時間割引適用を受けた場合、以下のような料金計算になります。
①18:10~20:30 : 500円(2.5h/0.5h×100円)
②20:30~7:30 : 720円
③割引適用 : ー200円(1h/0.5h×100円)
①②③合計:1,020円
車中泊して良いの?と悩むかもしれませんが、泊まり料金があり、実際に車中泊してみましたが大丈夫でした。いつものように静かに車中泊していれば、問題ないかと思います。泊まり駐車時の注意点としては、営業時間外は入出庫できません。
どんなところなの?
道後温泉本館のすぐ目の前にある駐車場です。歩いて2分程度で行けちゃいます。高台にあり、周辺を木々に囲まれた場所にあります。ただし、マンションや旅館・ホテルなど、周囲に高い建物があるため、自然の中でという訳ではありません。しかし圧迫感はなく、車中泊する上では気にならない雰囲気です。
駐車場北側の空の散歩道から道後温泉街を一望
駐車場の北側に新設された「空の散歩道」から、道後温泉本館と周囲の温泉街を一望することができます。写真左奥には、アーケード街「道後ハイカラ通り」があります。
空の散歩道には東屋と足湯があり、温泉街を眺めながら、のんびりくつろぐことができます。利用時間は6時~21時で、夜景を楽しみながら、また、早朝の清々しい気分で足湯と景色を満喫できます。
現在、道後温泉本館の補修工事真っ只中で、足場が組まれ、カバーが被せられています。工事中ですが、一部の温泉は営業中で利用可能です。工事中でも観光客をガッカリさせないよう、カバーに描かれた壮大な絵などしっかり工夫されており、この絵をバックに写真撮影している観光客(自分も含めて)が多かったです。近くで見ると圧巻でした!
駐車場隣の湯神社でお参り
駐車場のすぐ東隣に、湯神社があります。駐車場南側に参道・階段があり、早朝などは地元の方が散歩途中にお参りする姿がみられます。自分もお参りすることに。。「無事にここに来させていただきありがとうございます。道後温泉での車中泊旅が楽しくなりますように…。。」
ここでしか買えないグッズもあり
駐車場の自販機にはジュースの他に、道後温泉の文字が書かれたタオルハンカチが売っています(500円)。ここでしか買えないということで、お土産にひとつゲットしました。すぐ隣に足湯があり、タオルを忘れた方はこれを買うと良いかも。ちょっと小さいですが。。
施設情報
駐車場:普通車 100台
※大型車(バス、トラック)は利用不可
営業時間:5:30~23:20
※上記時間以外が入出庫できません
利用料:30分100円
20:30~翌8:30は泊り料金で720円
道後温泉3施設利用者は1時間無料
トイレ:24時間利用可能(人感ライト)
自販機:飲料用2台
足湯:空の散歩道(6:00~21:00)
公式HP:本館周辺地図及び市営駐車場(有料)、駐輪場(無料) 松山市公式ホームページ PCサイト
車中泊してみた感想
夜22時ごろの駐車場の様子です。
駐車場内は外灯もあり、また自販機の灯りで、そこそこ明るい雰囲気です。周辺の建物の灯りがあるのと、松山市内ということもあり、周辺も明るいです。平日に利用したところ、自分以外は1台もいませんでした。数台駐車している車も無人。
駐車場が広いため、停める場所はほぼ選び放題です。おすすめは建物、トイレ前と一般的ですが、自分は端っこの薄暗い場所を好むため、駐車場南側の周囲を木々に囲まれた場所を選びました。夏場だったこともあり蚊の大群にやられちゃいました。。トホホ・・・。
夜中の3時頃に目が覚め、トイレからの帰りに撮った写真です。夜中は駐車場内の外灯が消え、周囲の建物の灯りも消え、自販機の灯りのみ、かなり真っ暗になります。懐中電灯などが必須かもしれません。トイレは人感ライトのため、着くまで真っ暗です。
朝6時頃になると、地元の方が散歩され、足湯でくつろぐなど、少しずつ人も増えてきます。また、朝6時から本館が始まるため、朝風呂のお客さんの車も増えてきて、道後温泉の1日が始まっていきます。
車中泊してみて、思ったより静かで快適だったという印象です。周辺の道路を走る車も減り、音の大きい車や二輪の回遊もなく、人の声もほとんど聞こえず、駐車場内は比較的静かでした。駐車場で自分1台だけというのもあるかもしれません。
名湯、道後温泉を満喫する
ここに来て車中泊する目的は、何と言っても、有名な道後温泉を満喫すること。本館をはじめ、別館の飛鳥乃湯など、朝6時から夜の23時までほぼ一日中、温泉を楽しむことができます。しかも、車中泊場所の駐車場から歩いてすぐです。最高ですね!
明治時代から続く本館・霊の湯
補修工事中のため、残念ながら一部の入浴場のみしか利用できません。それでも、木造の建物内の歴史ある雰囲気や、良質な道後温泉が楽しめるので十分です。本来の本館入口は南側正面になりますが、工事期間中は東側から入場します。ここから入場できるのも、今だけですね!
入口受付で入浴料を払い、階段を降りていくと脱衣所があります。ちょっと狭いので、入場制限されています。霊の湯と呼ばれる場所で、石造りの古くもモダンなイメージの入浴場です。明治32年と書かれた湯口が歴史を感じます。備え付けのシャンプーなどはないため、持参、もしくは受付で購入する必要があります。
霊の湯<出典:道後温泉本館(公式HP)>
泉質はアルカリ性単純泉で、無色透明無臭のサラサラした感じです。加温、加水もなくちょうどよい温度で、体の芯までポカポカよく温まります。きめ細やかなやさしい温泉という印象です。
別館・飛鳥乃湯で新たな道後温泉に触れる
本館からアーケード街を抜けたすぐの場所に、新しくできた別館・飛鳥乃湯があります。到着してびっくり!床一面に色鮮やかな絵が広がり、建物も日本古代の雰囲気が感じられ、しばらく魅入っちゃいました。
夜になると照明が点灯され、昼間とは異なる雰囲気を楽しめます。こちらの景色にも魅了されちゃいました。多くの方が足を止め、記念撮影していました。インスタ映えスポットですね。
建物内に入ると、本館とはまた違った、現代的な雰囲気の景色が広がっています。現代アートと温泉を融合し、新たな温泉文化を発信するをコンセプトにしています。
新しい温泉施設ではあるものの、入浴場は石造りで本館のコンセプトを引き継ぎ、現代と融合させた絶妙な造りになっています。壁面に描かれた霧に覆われた幻想的な野山の風景。そこにプロジェクションマッピングで和歌の世界観が写し出されていきます。
常にトクトクと湧き出るお湯と石風呂の露天風呂。木の温もりと格子を抜ける優しい日差し、小さいながらも風情ある庭園。ひとりゆったりと浸かる温泉は、なんとも言えない贅沢な気分が味わえます。
露天風呂<出典:道後温泉別館・飛鳥野湯>
朝6時近くに入浴したおかげもあり、ほぼ貸し切り状態。周辺の喧騒も少なく、早朝の時間帯はかなりおすすめです。朝早くから観光地で行動ができる!車中泊旅の嬉しいメリットのひとつですね。
施設情報
■道後温泉本館
営業時間:6:00~23:00
入浴料:大人 420円/小人 160円(クレカ利用可)
その他:シャンプーなど備え付け無し、鍵付きロッカー
※持参するか受付で購入
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公式HP:道後温泉本館 | 外湯紹介 | 【公式サイト】道後温泉
■道後温泉別館・飛鳥乃湯
営業時間:6:00~23:00
入浴料:大人 610円/小人 300円(クレカ利用可)
※他にも休憩・貸し切りプランもあり
その他:シャンプー、ボディーソープあり、鍵付きロッカー
公式HP:道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ) | 外湯紹介 | 【公式サイト】道後温泉
道後ハイカラ通りをぶらり散策
道後温泉周辺には、道後ハイカラ通りと呼ばれる、アーケードの商店街あります。路面電車の道後温泉駅から、道後温泉本館まで、お土産屋や食事処など、ぶらり散策しながら楽しめます。昼間は観光客で大変賑わっています。夜になると静かな通りになります。
坊ちゃんゆかりのモニュメントたち
道後ハイカラ通りを駅の方まで歩いて行くと、小説・坊ちゃんゆかりのモニュメントがいくつか展示されています。まずは坊ちゃんの時代に運行し小説にも登場する、坊ちゃん列車です。
そのすぐ近くの広場には、坊ちゃんカラクリ時計があり、定刻になると道後温泉をモチーフにした、からくり人形ショーを楽しむことができます。隣には足湯もあり、ぼーっと浸かりながら眺めるのも良いですね。
料理屋かどやの伊予さつま汁を堪能
愛媛を代表するグルメといえば鯛めしですが、愛媛南予の郷土料理「伊予さつま汁」が味わえるということで、飛鳥乃湯に近い場所にある、料理屋かどやさんに行ってみました。
伊予さつま汁とは、愛媛独特の冷や汁のことです。細かくした鯛の身、薬味ネギにみかんの皮を、麦味噌の冷たい汁で混ぜて、ごはんにかけていただきます。酸味の効いたコクのある甘めの味噌味とほんのりみかんの風味で、食欲がそそられ箸が止まらない絶品料理でした。うーーまい!!!また、食べたい。。
愛媛で有名なのはまだあります!そう、じゃこ天です。宇和島でとれた魚をすり身にし、油で揚げたじゃこ天を、七輪で軽く炙っていただきました。じゃこ天の香ばしいかおりが広がり、プリプリ、もちもちの食感、さかなの甘みと海の香りが口いっぱいに広がり、こちらも絶品でした。じゃこ天、旨すぎる!
今回訪れた道後温泉マップ
まとめ
「道後温泉駐車場」で車中泊を紹介しました。
道後温泉本館のすぐ目の前という好立地で、しかも高台に位置していることで景色も良好、人通りも少ないため、車中泊での道後温泉巡りには最高の場所でした。想像以上に夜は静かで、快適にすごすことができました。
早朝から遅くまで道後温泉を楽しめるため、特に早朝の朝風呂はほぼ貸し切り状態で最高の気分が味わえました。歩いてすぐ、温泉、商店街、そして食事処にも行けちゃうので、道後温泉で車中泊ならここ!というぐらいお気に入りになりました。
道後温泉をめぐる車中泊旅。
どこで車中泊しようかなぁ、良いところがないかなぁと探している方に、本記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。