前回に続き、奥大井車中泊旅1日目の後半です。
ほとんどノープランの旅の途中、ふと立ち寄った大井川鐵道「千頭駅」。駅入り口で目に飛び込んできたのは、「星空列車」運行中、空席あり!という看板です。たまには列車旅も楽しそうと思い、チケットをゲットしちゃいました。
列車が出発する夕方の17時近くまでは、まだまだ時間がたっぷりある。日中の奥大井湖上駅を車でめぐった後、近くの長島ダムを散策。その後、少し足を伸ばして、寸又峡まで行ってみました。
寸又峡で温泉を楽しむ
訪れた日は天気が良く、冬といっても日中はぽかぽか日和。奥大井湖上駅と長島ダムの散策でじんわり汗もかいてきた。そういえば、昨日からお風呂に入っていないことに気づく。少し離れた寸又峡には、美女づくりの湯という名湯があるらしい。まだ星空列車出発まで時間があったので、足をのばして寸又峡に行ってみました。
長島ダムからさらに北上した山深い場所にある寸又峡。とりあえず行けるところまで進んでいくと、カモシカの親子のオブジェと寸又峡の看板が現れ、これ以上は車は進入禁止とのこと。近くには有料の駐車場兼お土産屋さんがいくつかあり、相場500円ぐらいで駐車できます。
目的地の寸又峡温泉「美女づくりの湯」はこの近くにあります。温泉施設に向かう細い道を進むと、広い敷地に駐車場の看板を発見!無人駐車場で、1台500円で駐車できます。入口のコイン徴収箱にお金を入れるシステムです。温泉にも近くて便利なのでここに決定!
料金表にちょっと気になる料金プランが…。車1泊700円。もしかして、車中泊OKなの?キャンピングカー含むって書いてあるから、かなり車中泊OKの期待大です。温泉にも近い好立地で車中泊できるのは魅力的ですね。
着替えなどを準備して、温泉へレッツゴー!
こじんまりとした建物で、中は露天風呂と洗い場が1か所しかありません。石鹸やシャンプーの備え付けがなく、持参する必要があります。休憩スペースなども無いので、純粋に温泉だけを楽しむ、いかにも秘境温泉という感じです。
露天風呂<出典:町営露天風呂・美女づくりの湯>
脱衣所で服を脱ぐと、まだまだ冬なので寒い!かけ湯をして早く温泉に浸かろうと焦っていたところ、すでに入浴中の常連さんっぽい方から一言…「よく滑るので注意して!」。お湯に足を入れて岩の階段に足を乗せたところ…つるん!!!めっちゃ滑るー!手摺を握ってないと絶対転ぶ。「しゃがんで進んだ方がいいよ」というありがたいアドバイスに従い、無事に全身入浴完了。今までの温泉の中で最強ツルトロ温泉でした。出るときも注意しないと…あっ!滑った!セーフ。ふぅ~。
千頭駅に戻って腹ごしらえと駅構内をぶらり散策
温泉でぽかぽか温まり、時計を見ると14時過ぎ。星空列車出発まではまだ時間があり、お腹もすいたし、駅構内も散策してみたい。寸又峡の絶景スポット、夢のつり橋に行く予定を変更し、千頭駅に戻ることにしました。楽しみは明日にとっとこ。
道の駅に車を停めて、駅前をふらふらと散策。あ~、お腹が減った…。がっつり食べたい気分なので、駅前の食事処「千頭館」に行ってみました。お勧めの野菜らーめんとしばらく悩み、頼んだのは温かいそば定食。濃いめの出汁のきいたお蕎麦をずるずる、おかずのおでんと胡麻和え、ご飯が進みますね。うーまい!!ペロッと平らげ、お腹も満足、目もしょぼしょぼ…。眠さをこらえて、元気にお店を出る。さて、駅の方にでも行ってみますか。
駅入り口のすぐ横にSL資料館があり、入口で料金箱に100円を入れて、自由に見学することができます。大井川鐵道の歴史とともに、列車たちを彩った多くのヘッドマークがいっぱい!滅多に見られない歴史を感じる部品や、貴重な資料が展示されていて見応え満点でした。アプト式…なるほど、そういう仕組みね!
星空列車出発まで時間があったので、少し早めに駅構内を散策することにしました。改札口をくぐると、ここでもゆるキャン△パネルがお出迎え。駅構内はどうやら自分一人だけみたい。のんびり駅構内をぷらぷらしてみました。
星空列車が出発するホームは6番線です。列車はまだ見当たらず、駅構内の他の列車などを見て回ることにしました。4番線向こうにワクワクする車両を発見!あれは…。。
これは子供が大喜び間違いなしのトーマス機関車じゃないですか!近くで見るとやはり顔が迫力ありすぎる!かわいいとは違う愛嬌というべきか。左端はパーシーですね。甥っ子君と遊んでる中で覚えました。
他にも珍しい列車が止まっていました。南海21004と呼ばれる列車で、南海電気鉄道から大井川鐵道に移ってきた列車みたいですね。レトロ感満載で、奥大井の自然に溶け込んだ、どこか懐かしい景色に癒されました。
さらにホームの奥まで進むと、列車の向きを変える転車台があります。明治30年英国製の転車台で、当初は東北線で使用され、昭和55年にここ千頭駅に移設されたそうです。人力で列車の向きを変える。今でもSLの方向転換で現役バリバリのようです。
「星空列車ご乗車のお客様は6番線に…」
時計をみるとすでに16時を回ったところ。ホーム内に響き渡る案内アナウンスとともに、警笛を鳴らして星空列車がやってきました。客車編成のため、機関車が手際よく、てきぱきと列車を連結していく。うぃ~ん、がしゃっ、うぉーん。。3両編成となった待ちに待った星空列車が6番線に到着です。
星空列車発車!~奥大井湖上駅を目指して
周りを見渡すと、列車を待つお客さんでいっぱい!満員御礼状態です。車内に乗り込み、ドア付近の一人席に着席。思ったより天井が低くて椅子もコンパクト!少し狭い車内がいつもと違う列車旅のワクワク感を盛り上げてくれます。
「お待たせしました。星空列車出発します~。」
太陽が山々に隠れ黄昏広がるなか、ディーゼル機関車のエンジン音を響かせ、煌めきの星の世界、夜の奥大井湖上駅を目指します。
千頭駅を出発し、列車は奥大井の大自然の中を爽快に走り抜けていきます。車窓からは雄大な大井川、吊橋、鉄橋など、列車旅でなければ楽しめない景色が広がっています。車掌さんの観光アナウンスを聞きながら、久々の列車旅を楽しむ。なんとも贅沢な気分です。
しばらくぼぉっと景色を眺めていると、最初の停車駅「アプトいちしろ駅」に到着です。この先の日本一の傾斜を上るため、アプト式列車への繋ぎ替え作業があります。しばし休憩タイム。
アプトいちしろ駅から先の長島ダム駅までは、日本一の勾配を誇る区間になっています。普通の列車では上れないため、アプト式機関車に繋ぎ替えます。レール中央のラックレールと呼ばれる歯形レールと機関車の歯車をかみ合わせ、客車を押しながら急坂を上っていきます。
連結作業が始まると、多くのカメラマンで人だかりに。人との隙間を狙ってスマホでパシャ!もう作業終わってた。。でもよい感じの写真が撮れました。機関車も無事連結完了。そろそろ出発の時間です。作業を見物するお客さん、トイレ休憩のお客さんも、ここで乗り遅れたら大変!急いで列車に戻ります。
長島ダム駅に近づくころ、車窓にライトアップされた長島ダムが見えてきました。暗闇に浮かび上がるダムの姿は、日中に見たダムの姿と趣が変わり、神秘的な雰囲気が漂っていますね。
長島ダム駅を過ぎると、目的地「奥大井湖上駅」に到着です。辺りは真っ暗。アプトいちしろ駅を出発した頃から、外の景色はまったく見えずです。湖上駅では約1時間の自由時間。真っ暗の中、懐中電灯、スマホの灯りを頼りに、思い思いに構内を散策、時間を過ごします。
夜の奥大井湖上駅を楽しむ!
写真がないことを先に謝ります!スマホでは星空撮影は無理でした。。
空を見上げると肉眼でくっきり分かるぐらい、煌びやかな星空が広がっているのに…。少し雲があったものの、隙間から無数の星の輝きに放心状態。全国2位の星空は伊達じゃない!良いカメラをこれほど欲しいと思ったことがないぐらい、写真に残せないのが悔しいほど、きれいな星空でした。まぶたを閉じるとあの星空が思い出される。。
「ふぁーん!」遠くから灯りとともに警笛が鳴り響く。いったん湖上駅を離れていた星空列車が戻ってきました。めちゃくちゃ寒かったけど、1時間があっという間に感じられるぐらい、楽しい時間を過ごしました。列車に乗り込み、ウトウト・・・気づいたら千頭駅でした。
約3時間の星空列車の旅、観光列車に揺られて、非日常気分を存分に味わえました。たまには列車の旅も良いですね。星空列車に別れを告げ、千頭駅改札口を後にしました。楽しい列車旅ありがとう!
千頭駅を出ると、駅前にはきれいなイルミネーションがいっぱい。まだまだ列車旅の余韻が残ったまま、周辺をのんびり散策してみました。
それにしても、お腹がすいたなぁ…。駅前のお店はどこも閉店してるので、車でコンビニへゴー!道の駅に戻って弁当を一気にかき込む!お腹もいっぱい、眠くなってきたので、そろそろおやすみなさい。。
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1日目後半の旅の行程
さいごに
奥大井をめぐる車中泊旅の1日目後半を紹介しました。
寸又峡では美女づくりの湯を堪能し、今まで経験したことがないぐらいのつるすべの温泉に驚きながらも、体の芯までポカポカ、日頃の疲れもぶっ飛びました。久しぶりの列車旅、しかも星空列車に乗り込み、美しい星空の中で心も癒されました。星空の写真が撮れなかったのが心残り。いつかは良いカメラをゲットしたいな。
次回は車中泊旅の2日目。寸又峡の夢のつり橋で絶叫体験、そして、車も渡れる井川大橋(吊橋)をめぐる、吊橋三昧の旅を紹介したいと思います。