和歌山・奈良・三重の三県にまたがる、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」。
古くから神々の宿る場所、仏教の山岳修行の場として知られ、全国から参拝者が訪れることでも有名です。
紀伊山地の3つの山岳霊場のひとつ、「熊野三山」をめぐる車中泊の旅。
今回は熊野速玉大社と熊野那智大社を紹介したいと思います。
熊野三山ってなに?
熊野三山とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の総称です。
伊勢路や中辺路の呼ばれる参詣道を通り、古くより全国から参拝者が訪れることで、宗教や文化の発展に多大な影響を与えてきました。全国にある熊野神社の総本宮でもあります。
アクセス
紀勢自動車道から国道42号線を走り、三重と和歌山の県境の新宮市に熊野速玉大社があります。神社横に駐車場があり、初詣などの混雑時でも臨時駐車場に駐車できます。
さらに南へ20km強(約35分)へ走ると、熊野那智大社があります。那智大滝と呼ばれる立派な滝もあります。
熊野速玉大社
国道42号線を三重方面から南下し、県境の熊野川を越えた和歌山県新宮市に、熊野速玉大社があります。
神社への入り口の鳥居は、駐車場から歩いて戻った場所にあります。ついつい駐車場から境内が近いので、直接行きたくなりますが、ちゃんと鳥居から行くのがおすすめです。
熊野三山の神々が最初に降り立った場所
熊野三山の神々が最初に降り立った場所が、近くにある神倉神社といわれています。そこから初めてこの地に神殿を建て、「新宮」と呼ぶようになったそうです。
初代天皇の神武天皇は、その神倉山に登り聖剣を授かり、八咫烏の導きで大和に入り、日本の国を治めたとされています(日本書紀)。大和に向かう途中で安全祈願で立ち寄った場所に創建されたのが、玉置神社といわれています。
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朱色の美しい社殿
鳥居をくぐり参道を歩いて行くと、手水舎と神門があります。
手水舎はコロナ感染防止のため使用できないため、お酌で身を清める所作をしてみました。それでは神門をくぐって、社殿に向かいます。


神門を抜けると、色鮮やかな朱色の社殿に魅了されるとともに、神聖な場所という意識もあり、身が引き締まる気分になります。拝殿に向かって敷石の上を歩く音が、なぜだか心を落ち着かせてくれます。
「車中泊の旅がこれからも楽しく続きますように…」
人生の折り返し地点とも言われる40歳を過ぎ、「自分が楽しいと思うことをやってみよう!」と始めた車中泊の旅。熊野の大自然に出会うと、本来の自分の姿に戻れたような気がしてなりません。
川原家横丁で休憩
神社の駐車場のすぐ隣には、川原家横丁があります。
和歌山県といえば、みかん!地元のみかんがお手頃価格でゲットできます。また、食事処「うどん あきや」では、味噌煮込みうどんなどがおすすめとのことです。また訪れた際は、食事で寄ってみたいと思います。
熊野那智大社
国道42号線を南下し、那智勝浦町の山深い場所に、熊野那智大社、そして那智大滝があります。
駐車場は那智大滝に近いところでは、お土産屋・食事処の駐車場(終日で500円前後)がおすすめです。無料で広い場所であれば、すこし先に進んだ「熊野交通」のバスターミナルがある駐車場がおすすめです。観光センターやトイレもあり便利です。
参道の階段がきつい!
駐車場から歩いてすぐの場所に、那智大社に向かう山道の入り口があります。
那智大社は階段を上った先にあります。写真の石段が何段も続き、コロナ下でのマスク着用もあって、息が上がってかなりきついです。普段から運動して鍛えておかないといけないですね。
階段が大変な場合は、車で上の方まで行くこともできます。
那智大滝入口から先ほどの駐車場に向かう途中で右折し、登って行った先に「青岸渡寺駐車場」があります。また、大駐車場の先の道を進んでいくと、「那智大社駐車場」もあります。
熊野那智大社に到着
参道の石段を登り切り、大鳥居をくぐると青空と緑の木々に映える、朱色の那智大社の社殿が現れます。
「結宮(むすびのみや)」と呼ばれ、人の縁や願いを結び付けてくれるそうです。今までの車中泊の旅での縁に感謝しつつ、これからも新しい発見、楽しさにつながる旅が出来るようにお願いしました。
樟霊社胎内くぐり
境内には樟(くすのき)の根元の空洞を通り抜ける、樟霊社(しょうれいしゃ)胎内くぐりを体験(護摩木300円)できます。無病息災、長寿の御利益があるそうです。
青岸渡寺は西国三十三か所の一番札所
那智大社のすぐ隣に、西国三十三か所の一番札所である、青岸渡寺(せいがんとうじ)があります。
境内にそびえ立つ「三重塔」と遠くに見える「那智大滝」は絶景です。晴天の青空と朱色の塔、緑の山々の間から流れ落ちる滝。しばらくずーっと見ていました。
美味!黒飴ソフト
境内を散策していると、売店・食事処があります。
ここでおすすめなのは、ご当地名物「黒飴ソフトクリーム(300円)」です。黒飴のちょっと苦みがあってコク深い甘みのある、美味しいソフトクリームです。那智の自然を眺めながら、のんびり休憩しましょう!
那智大滝
三重塔を通り過ぎ、大滝方面にしばらく歩いて行くと、那智大滝の鳥居(入口)に到着します。
杉木立の心地よい木陰の間の石段を下っていくと、目の前に立派な大滝が現れます。
高さ133mから流れ落ちる滝で、滝つぼは深さ10mあるそうです。
滝自体を御神体として祀っており、飛瀧神社という名前が付いています。鳥居をくぐり、お参りすることができます。
滝の近くまで行ってみる
拝観料(大人300円/小中学生200円)がかかりますが、滝の近くまで行くことができます。
那智大滝は、無病息災、長寿の御利益があります。
滝の水は「延命長寿」の水として尊ばれ、滝壺の水を飲んだりすることができます。滝の水の入ったお守りもあります。
一番近いところでみる、那智大滝の姿は圧巻です。
百メートルを越える高さから、穏やかに流れ落ちる滝の様は、激しさはなくても、力強く、優雅に感じるほどです。滝の幅もそれほど広くなく、滝壺まで緩やかに広がり、途絶えることなくしっかりと流れ落ちる。那智大滝から何かを教わったような気がします。
今回の車中泊スポット
今回の車中泊の旅で休憩した場所は、道の駅「紀伊長島マンボウ」です。
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しかし、ここからかなり遠い場所にあります。近い場所で以前に車中泊で利用したのが、「那智勝浦緑地公園」です。海に突き出た埠頭・船着き場で、釣りでも人気のあるスポットです。
近くにはホテル浦島があり、日帰り温泉で洞窟風呂をはじめとする、たくさんの天然温泉が楽しめます。
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まとめ
紀伊山地の霊場「熊野三山」、熊野速玉大社、熊野那智大社をめぐる車中泊の旅を紹介しました。
朱色の美しい社殿の速玉大社。山深い自然に囲まれ、優雅に流れる那智大滝、そして那智大社。ここに来ると本来の自分の姿に戻って、自分は何をしてどうしたいのか、考える力や機会をいただけた、そんな気持ちになります。
「まだ見ぬ絶景を求めて、日本全国を自由に旅する」
そんな旅に憧れ、色々な出会いを楽しみに、これからも車中泊旅スタイルを続けていきたいと思います。
八咫烏の「次は・・・に向かえ~!!」
そんな導きの声が聞こえてきます。。
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