本格的な冬に向け気温も下がり、車中泊には厳しい季節になってきました。昨年に車中泊デビューし、冬の車中泊にも興味はあったものの、寒さに耐えれそうになく、諦めていました。しかし、「冬も車中泊を楽しみたい!」ということで、思い切って冬車中泊をやってみることにしました。
車中泊で使用している車は普通の軽自動車で、FFヒーターなどの装備もなく、寒さ対策としては、基本は重ね着などの「防寒」になります。しかし、防寒だけでは限界がありそうなので、思い切って、大容量電源+暖房器具を導入することにしました。
今回、導入したのは「suaoki製ポータブル電源 PS5B」、暖房器具としては電気ブランケット、電気敷毛布です。冬車中泊実践の前に、どのくらい使えるのか試してみたので、紹介したいと思います。
大容量ポータブル電源 PS5B
suaokiから2016年に発売されたポータブル電源で、400Whの大容量と比較的値段も安いことから、人気のある商品になっています。通常価格は7万円近くしますが、運がいいと3万円前後で入手できます。
選んだ理由
大容量電源を謳ったポータブル電源はいくつかのメーカーで販売されていますが、suaoki製の電源を選んだ理由は以下の通りです。特に星マーク★の項目が決め手になっています。
・400Whの大容量 ★
・300Wの家電までOK ★
・ACが純正弦波
・ジャンプスタータ機能
・ソーラー充電機能
・値段が比較的安い ★
・真四角のかたち ★
・S270からのsuaokiファン
形状については好みもあるかと思いますが、出っ張りがほとんどない形状のおかげで、隙間なく車の荷室に収納できるため、室内が狭い軽自動車などでは、スペースが有効活用できます。思った以上にコンパクトサイズです。
スペック
PS5Bのスペック(仕様)です。
<参考:PS5B取扱説明書>
どのくらい使えるの?
スマホの充電や家電製品での使用回数の目安です。使用する機器によって変わるため、あくまで参考値になります。
<参考:suaokiショップ>
電源の容量が400Whのため、使用する機器の電力で割れば、ざっくりの使用時間が計算できます。例えば、40Wの機器であれば、「 400wh / 40W = 10h 」で10h(時間)になります。
使用方法
ポータブル電源ですが、メイン電源を入れ、使用したい出力、DC、ACのスイッチを入れれば使用することができます。使用にあたり、付属品や充電方法など、紹介していきたいと思います。
付属品
付属品のケーブル類は4種類あります。
・ACアダプタ
ー>コンセントから本体を充電
・ソーラー用ケーブル
->太陽光パネルから充電
・アクセサリ電源用ケーブル
->車のシガソケット(アクセサリ)から充電
・ジャンプスタータ用ケーブル
->車のバッテリ上がり救済用
ACアダプタですが、2018年にリコール無料交換が実施されています。充電中に火災が発生したようです。ACアダプタに貼られたラベルのMODELのところに、「MDA10129402000」と書いてあれば対策品です。
現在はPSEなどの世界基準の安全規格の認証や経済産業省の「電気用品輸入事業届出書」提出済とのことで、安心して使用できるかと思います。
対策後のACアダプタでは充電速度が若干遅くなったようですが、安全には変えられません。
充電方法
充電はACコンセントと、DC入力の2通りの方法があります。いずれも本体側面のDC入力端子に接続して充電します。
本体正面の左上にある電源スイッチがOFF(LEDが消灯)であることを確認し、ACアダプタを先に本体側面の入力端子に接続します。そのあとに、コンセントを挿して、本体の電源をONします。すべて配線してから電源を入れるようにします。
充電が始まるとアダプタのランプが緑から赤に変わります。本体のディスプレイにも充電量が5段階で表示されます。充電電力もINPUTで表示され、家庭用のコンセントでは56Wぐらいでした。充電時間は実測で7時間40分で、400Wh/56W=7時間10分で計算値とほぼ一致します。
充電中は最後の目盛あたりから「いつ終わるんだろう??」と不安になりますが、大丈夫です、ちゃんと終わります。ディスプレイの電池表示がフル点灯し、INPUTが0W、アダプタのランプが赤から緑になっているはずです。
自動車での充電
自動車で充電は、アクセサリソケットを使用することができます。ただし、完全に充電が完了しないようです。自分のウェイクには、インバータを積んでいるため、ACコンセントで充電してみました。
INPUT表示は56Wで家で充電しているのとほとんど変わりませんでした。インバータの電源はウェイクの荷室にあるアクセサリソケットから取っており、容量は120W(=12V×10A)で十分な容量です。
56Wですが、どうやらポータブル電源のACアダプタの仕様でこの数値に抑えられているようです。
試しに走行中に充電してみましたが、アイドリング、走行中ともに56Wで安定して充電しており、家で充電するのと変わらずでした。しかし、ウェイクの仕様なのか、アイドリングストップ機能をOFFにしていても、車両が停止するタイミングでインバータから電圧低下と思われる警報(ブザー)が鳴っていました。
すぐに復帰して、ポータブル電源は何もなかったように充電しているので、問題はなさそうです。エアコン、オーディオをすべてONしても大丈夫でした。もう少し走行テストをかさねて確認していきたいと思います。
定期的にフル充電すること
バッテリーを長持ちさせるため、定期的にフル充電を勧めています。電池(リチウムイオンバッテリ)の特性上、約3か月に1回はフル充電するように心がけます。
暖房器具で使ってみる
冬の車中泊を楽しむため、大容量のポータブル電源と、「電気ブランケット」と「電気敷毛布」を準備しました。車内で起きてくつろいでいる時はブランケットを羽織り暖を取り、就寝時は電気敷毛布でポカポカ快眠という使い方です。
この2つの暖房器具がポータブル電源PS5Bでどのくらい使えるか、実機で確認したので紹介したいと思います。
電気ブランケット
電気ブランケットですが、サイズが140×100cmで、座った姿勢で体がすっぽり収まるサイズになっています。アクセサリソケットに挿して電源を入れると、すぐに全体がポカポカと温まります。就寝時も掛布団のようにかければ、全身を温めることができます。
<製品仕様>
サイズ:140×100cm
電源:DC12V
最大電力:約45W
スイッチでHI/LO切り替えできますが、温まるまでの時間が違うだけで、その後の温度は同じです。通常はLOで使用します。
使用した感想ですが、スイッチONでほどなく温まり、暖を取るのには十分なあたたかさです。車のエアコンの乾燥が苦手な方は、このブランケットを膝にかけたりして使用すると便利かもしれません。
気になるポータブル電源での使用時間です。
・DC OUTPUT:約56W
・使用時間:7時間
製品仕様では45Wですが、電源の表示は56Wと約20%の誤差があり、計算値からすると、実際に56Wほど消費していたのかと思います。7時間なら一晩なんとかもつ時間になるかと思いますので、ポカポカ快適な睡眠ができそうです。
電気敷毛布
電気敷毛布は家電量販店でも気軽に入手できる、KOIZUMI(コイズミ)製 電気敷毛布KDS-4092を使ってみることにしました。
一般的な電気毛布と同じように、丸洗い可能、暖かさを選べるなど、さきほどのブランケットより、使い勝手がよいです。
<製品仕様>
サイズ:130×80mm
電源:AC100V
最大電流:40W
車中泊では、一番下の車中泊マットの上に敷き、その上にシュラフなどを置いて寝るかたちになるかと思います。
こちらも気になる使用時間です。(温度設定は中を使用)
・AC OUTPUT:約36W(※)
・使用時間:11時間
温度設定を中にすると、AC OUTPUTが0と36Wが交互に表示され、うまく電力が表示されませんでした。そのため、AC OUTPUTは実際の使用時間からの計算値で記載しています(※ 400Wh/11時間 = 約36W)。
使用シミュレーション
1h(時間)あたりの充電電力、使用電力の実測値をまとめると以下のようになります。
・充電電力:56W
・ブランケット:56W
・電気敷毛布:36W
この結果から車中泊での使用イメージ(シミュレーション)はこんな感じかと思います。
ざっくり した使用イメージですが、移動(エンジンON)を6時間以上を確保して、なんとか満タン近くまで充電できるような感じです。少し現実的ではないので、興味があるソーラーパネル追加の検討も必要になりそうです。
室内レイアウト
今回購入したポータブル電源をウェイクの室内に設置してみたので紹介します。電気敷毛布は撮影タイミングの都合で載っていません。こちらは実際に車中泊で使用してみた感想を別の記事で紹介したいと思います。
ポータブル電源は荷室に組んだ棚の上にぴったり収まりました。ちょうどインバータの横に設置でき、電源もここからすぐに取れるレイアウトです。 設置にあたり、電源の重量が5.6kgあり、滑り止めマットを敷いていても、急ブレーキなどの衝撃には耐えられそうにありません。しっかりベルト等で固定しておこうと思います。
いい感じにポータブル電源が収まりました。
荷室の棚に置いてあった荷物は、先日製作した天井棚へ移動しています。今回のポータブル電源を常設するために、行き場を失った荷物を置くために、天井棚を新たに製作しています。
まとめ
冬の車中泊にもチャレンジしよう!ということで、少しでも車内が快適になるように、大容量ポータブル電源、暖房器具(ブランケット、敷毛布)を導入してみました。
大容量バッテリのおかげで一晩は暖がとれ、安心して車中泊ができそうです。しかし、キャンピングカーと違って普通の軽自動車での冬の車中泊の基本は、「防寒」と「危険ならやめる」という点です。
就寝中の服装にもしっかりと注意し、重ね着しすぎてエコノミー症候群にならないように注意も必要です。あまりに寒くて危険を感じたら、車中泊を中断する決断も必要かと思います。
次回の記事では、導入したポータブル電源と暖房器具を活用し、実際に冬車中泊をしてみた感想を紹介したいと思います。
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