波に浸食された岸壁や変わった形の岩など、全国的に奇岩が観光スポットになっている場所が多く存在します。その神秘的なかたちから、古来より信仰の対象にもなっています。
三重から和歌山をドライブしていると奇岩スポットがたくさんあります。鬼が城、花の窟(はなのいわや)、三段壁など、思いつくだけもたくさんあります。そんな奇岩の宝庫のこの地域ですが、今回、内陸の方に目を向けて、「古座川弧状岩脈」とよばれるエリアの奇岩を紹介したいと思います。
岩石特有の表面のデコボコ形状が苦手な方は写真の閲覧を控えてください。
古座川弧状岩脈の奇岩
和歌山県の南部に位置する古座川町は「南紀熊野ジオパーク」と呼ばれるエリアにあり、「日本ジオパーク」にも認定されています。「古座川弧状岩脈」と呼ばれる一帯に奇岩が点在しており、観光スポットになっています。
ジオパークとは、「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所をいいます。
<引用>日本ジオパークネットワーク ホームページより
古座川弧状岩脈とは、大昔の火山活動により形成された地形で、古座川内を数十キロにわたった帯状のエリアを指します。帯状のエリアにいくつかの奇岩が点在しています。
虫喰岩
国道42号線から内陸の方へ入っていくと、道の駅「虫食岩」があります。道の駅のすぐ前が「虫喰岩」です。長年の浸食により岩が削られ、表面がデコボコしています。このように穴が空いた構造を「タフォニ」と呼びます。虫喰岩のような奇岩が、古座川弧状岩脈の一帯には多く点在しています。
道の駅の近くに公園と散策路があります。歩いて往復40分ぐらいのコースです。歩ている方は見当たらず、自分も散策はしていませんが、自然豊かなコースで時間に余裕があれば、虫喰岩を見た後に散策してみるのもよいかと思います。
道の駅には産地直売店がありますが、土日のみの営業になります。観光案内所があり、係員の方が親切にいろいろと教えてくれました。古座川の観光パンフレットや地域の観光情報はここで入手しました。駐車スペースは30台程度で、24時間トイレと自販機は利用可能です。
牡丹岩
虫喰岩から少し走ると牡丹岩と呼ばれる奇岩があります。道路沿いに車2台程度が停められるスペースがあります。
虫喰岩とおなじようにタフォニと呼ばれる、風化、浸食されたデコボコ穴が無数に存在します。岸壁の上の方をみると、他とは少し異なる形状の部分があります。球状で中が空洞になっており、牡丹の花が咲いたようなかたちをしていることから、そのような名前がついています。
一枚岩
牡丹岩よりさらに西へ走っていき、県道38号線沿いに道の駅「一枚岩」があります。道の駅の目の前に一枚岩と呼ばれる大きく立派な岸壁があります。
他の奇岩と比べても大きく、みる者を圧倒するスケールの大きさです。他の奇岩とくらべて、表面がなだらかで、あまりボコボコした穴は目立っておらず、緩やかに浸食されていったことがうかがえます。
台風の影響が収まっておらず、川の水は濁っており、普段の穏やかな清流をみることができず残念でした。また近いうちに、天気の良い日を狙って訪れてみたいと思います。
道の駅ですが、お土産、食事をするお店があります。ここでしか買えない地元の特産品などが売っています。トイレは和式、洋式があり、とてもきれいにしてあります。駐車スペースは20台です。
天柱岩
一枚岩から西へ少し走ると「天柱岩」があります。山の上に岩が刺さったようなかたちをしています。こちらの奇岩も大昔の火山活動でマグマが隆起してできたものかと思います。
まとめ
古座川弧状岩脈に点在するいくつかの奇岩を紹介しました。古座川には、奇岩の他にも清流や滝、トレッキングなど、自然を体感する場所がたくさんあります。
南紀というと海岸制沿いが観光のメインになってしまう自分がいますが、山の方にもいろいろと自然豊かな観光スポットがあることを知りました。海、山の自然が豊かな南紀をこれからも楽しみ、ブログでも紹介していきたいと思います。